「作文講座」

☆★☆右近のやさしい作文講座★☆★

メッセージボードでおなじみのAさんに請われ、作文の書き方のコツを伝授したい。

葉書や手紙を書く人びとは激減しているというが、(私は依然、葉書・手紙派である)ちょっとした文を書かなければならないことが誰にもある。そんな時のために役立てていただきたい。但し、私も文章修行中であるから、「文章講座」ではなく、先生時代を思い出しての「作文講座」である。まずは原稿用紙一枚分、四百字程度の文を書くことから練習してみよう。

何でもそうであるように、文を書くにも基礎知識があれば楽しくスムーズに文が書ける。以下のことを覚えておこう。

1.文章構成

我々の身体でいえば骨格である。これがしっかりしていなければ全体を支えられない。文章構成には次のような種類がある。

(1)三段構成(文章構成の基本パターン)
〈序論−本論−結論〉
序論(前提)、本論(展開)、結論(まとめ)にあたる段落の組み合わせ。能楽の法則にも通じるので〈序・破・急〉ともいう。論理的文章に適している。

(2)四段構成(漢詩の絶句のパターン)
〈起−承−転−結〉
発端−展開−頂点−結末。第一段階で語り起こし、第二段階でそれを受け、第三段階で変化させ、第四段階で結ぶという型。

ほかにも「ソナタ形式」と呼ばれる五段構成もあるが、今日は右近の好みでもある(2)の四段構成で練習してみよう。

2.段落の配分と内容

原稿用紙一枚に四段構成で文を書き進めるのに、目安となる段落の行数とその内容は以下である。

●「起」……(1〜3行)
最初の一行というのは小説家も神経を使うという。読む人の興味を惹き、「おっ」と身を乗り出させるようなインパクトの強さを目ざす。これから述べようとする内容を提起する部分でもある。

●「承」……(6〜8行)
「起」で提起したことを展開していく部分。夢中で書きすぎると行が進み、次の段落へ食い込んでしまうので注意する。

●「転」……(6〜7行)
「承」を受け、角度を変えたり例の挿入などで変化が出せる部分。

●「結」……(3〜5行)
文字通り結論の部分である。しっかり自分の考えを述べ、照れずにカッコよくキメよう。

では具体的な書く手順について説明しよう。「雨」という題で書くとしよう。せっかちな君、まだ鉛筆は置いておこう。

1.まず熟考、まず「結」論
試験など限られた時間内で書き上げなければならないときは気持ちが先走りし、いきなり書きはじめて失敗する。はやる気持ちを抑え、まず熟考する。「雨」ならば、雨が好きだとか嫌いにはじまり、雨の日に寄せる想い、雨にまつわる記憶など、どの角度からも切り込むことができる。しかし欲張らない。四百字程度なら一つに絞る。書く内容が決まれば、すばやく考えをまとめ、結論を決めておくことが大切だ。

2.各部分の連結に気を使う
「起」からはじまり承・転・結へと川のように流れさせるためには、途中で文体が変わったり論理がねじれてしまってはならない。常に前の部分を受けて次の部分へと進み、結論へと導くのだ。

3.推敲を大切に
推敲とは詩や文を作るときに考えを練ること、またはその作業をいう。常に全体の大きな流れを乱さず、細部にも目を配りながら進む。完成後の推敲も大切だが、何度か立ち止まって読んでみることを薦めたい。

おわかりいただけただろうか。手本となるかどうかわからないが、「花火」という題で私が例をひとつ書いてみる。


前記の要点のほか、「です、ます」調か「だ、である」調の統一、重複した表現がないか、接続詞の使い方は適切か、キラリと光る言葉はあるかなどの注意事項はたくさんある。

しかしこれも短歌と同じで、あれこれ考えているとよけいに書けない。とにかく楽しんで書いてみることだ。今日のことをマスターすれば、短い葉書から小論文まで応用できる。ぜひ役立てていただきたい。

最後にヘミングウェイ曰く、良い文とは簡潔明瞭を旨とすべし。右近はこれを「座右の銘」としている。

あ、打ち上げが始まった。どれ庭へ、花火、花火……。

2003年8月

尚、練習してみようと思われる方は挑戦して下さい。原稿用紙一枚分(四百字)の作文をメールで送っていただければ、右近が添削、アドヴァイスをいたします。その際は一行を句読点込みで20文字に設定してお送り下さい。(メールをされる方はこちらへ)

題(例)……「花火」「夏」「私」「夢」「三年先の自分」「読書」「自己表現」「IT時代」「表現する喜び」「人とのつながり」etc………。その他、自由題でも構いません。
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