愛にまみれて


花びらを口に含み
ぼくは感触を慈しむ

あなたは小さく声を上げ
せつない吐息をもらす

秘めやかなところに顔をうずめ
生まれる前のはるか昔を懐かしむ


あなたに忍び込み
わずかな隙間もなく密着すると

あなたはうねり ぼくはゆられ
ぼくはゆすり あなたはうねる

荒海の小舟のごとく
波に呑まれてまたゆれる


白くたおやかな稜線をなぞり
乳房を掴めばさらにさらに官能的に

ぼくをもとめて抱きしめて
ぼくの名を呼び喘ぐあなた

ああ地獄 極楽 桃源郷
三千世界にさんざめくこの悦楽――


ぼくはやがて果て
あなたは乳白色の愛にまみれる


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