えきか
 腋窩


抱かれたばかり
まどろんでいたいのに
好きなひとりの世界へと
もう戻ってしまったあなた
天井みつめ何おもう

頬がすこしこけたわね
毎日ちゃんと食べてるの
髪もずいぶん伸びたみたい
何を考えているのと訊いても無駄
なんにもと答えるにきまってる

あなたの邪魔をしないから
もうしばらくこのままで
じっとしていていいかしら
遮光カーテンの向こうは真昼
光の帯で小さなほこりが舞いおどる

不意にあなたの左腕が
わたしの肩を抱きよせた
ほんのり汗の香りがする
あなたの腋窩の暗闇で
わたしは今日も迷子になる


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