せめて・・・


手にもふれていない
口づけなんかしていない
まして抱いてなんかいない

だから 君を忘れるのに
三日もあれば充分
そんなふうに言えたなら

ぼくが知っていることは
君の名前 君の顔
頼りなげな君の声
君の住む町 君の歳
たったそれだけ

君が知ってくれたことは
ぼくがビールが好きなこと
ぼくがヴェジタリアンなこと
隣の町に住んでいること
たったこれだけ

せめて指先にでもふれたかった
突然いなくなってしまうなら
せめて笑顔で送りたかった
会えなくなってしまうなら
せめて「好きだ」と告げたかった


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