せるしお

このシートに あんたが座った
このハンドル あんたが握った 
うっとこは隣に座って   わろ
どうでもええ話ばっかりして笑てた

ひどいやんか
ひとりでさっさと先に逝くて
そらないで せっしょうやわ

あんたが座ったシートに 座って
あんたが握ったハンドル 握って
柄にもないけどうっとこな
クラシックかけて走りまわった

このせるしおは
うっとこの涙満タンで
七年間よう走りやった

あんたのもんは何ひとつ処分せんと
全部おいとくつもりやった
そやけど決めてん
手放すことにしたんやわ

うっとこちょっと前向いて
歩けるようになったちゅうことや
ほめてんか えらいやろ

人やモノはいつかみんな
消えてのうなってしまうけど
あんたとせるしお乗った想い出
うっとこ死ぬまで放せへん

見ててないっつも うっとこのこと
そこでずっと待っててや
このせるしお運転して
うっとこいつか逝くからな

うっとこ……この詩のモデルは、自分のことをそう云う


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