氷 柱 (つらら)


折った氷柱を手にしたあなたの指先
白蝋化して血の気がなくて
その刃ほどにも冷えきって
蒼ざめた頬 虚ろな瞳・・・

  眠るなら わたしの胸で
  潜るなら わたしの中へ

硝子のごとく透明で脆いあなたの心
粉々に砕けて煌めいて
そのひとかけらすら愛しくて
痩せた身体 乱れた髪・・・

  刺すなら ここを刺して
  突くなら ここを突いて

生きていた証など残さなくていい
溶けてしまうこの凶器のように
わたしとあなたが存在したこと
跡形もなく消えていい

  命を絶つなら 先にわたしを
  惚れてるなら もいちど抱いて

そのあとでまずわたしから
彼の岸へ逝く船に乗せて
岸に着いたら船を降りて
あなたが来るのをじっと待つから


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