激愛


小心なのに向こうみず
命を賭して守ってくれただろう人は
この世でひとり あなただけ

だから憎んだ

大うそつきのろくでなし
見捨てず見かぎらなかったのは
この世でひとり わたしだけ

だから蔑んだ

わたしひとりが小さな世界で
あなただけを見つめていた頃
そんな時代がただバカらしく

だから妬んだ

わたしひとりを愛していると
信じて疑わずに暮していた頃
そんな時代がただなつかしい

だから恨んだ


往きて還らぬ人しのび
もの音ひとつせぬ夜中
愛しすぎた日々めぐり

往きて還らぬ人しのび
もの狂おしくなる夜中
憎みすぎた日々めぐる

激愛しずかに燃えつづけ
熾火のようにくすぶりて
往きゆきてなお愛おしく

こんな苦しみ
生きているうちにただ一度
ただひとり だけでいい
前の詩 次の詩

恋愛詩INDEX