百回の別れ


いろいろ考えたのですが
わたしは静かにあなたから
離れることに決めました

そうなのかい
それが君の幸せならば
引きとめることはできないよ

受話器のむこうですすり泣き
ぼくもつられて男泣き
幸せになれよと電話を切る


女は少女 いつまでも
十五才の頃すれ違った人の背を
追いつづけて恋をする

男は少年 いつまでも
十才の頃みた空とぶ夢を
追いつづけて飛び立とうとする

わたしの方を振りむいて
ぼくは空を飛びたいんだ
その温度差がくるしいね


たぶん女は死ぬまでに
百回ほども別れを云い
百回ほども涙にくれる

それをぼくは死ぬまでに
百回ほどもマに受けて
百回ほども承諾する


女とは不思議な生きもの
世紀の恋にやぶれたヒロイン
それを演じて酔いしれる

涙も涸れたそのあとに
たったひと言で素にもどる
パフェを食べに行かないか
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