(いかずち)

           まぐわい
ぼくとおまえの目合を
天は赦さず我らに怒り
俄に暗雲たちこめる空

突如として大粒の雨
軒を叩いて声をかき消し
おまえ怯えてぼくを締める

いかずち暴れ いかずち怒り
電流はしらせ荒れ狂う
怯えるたびに締めつけられて


いま我ら
草なぎ倒された草原で
横なぐりの雨に打たれ

激怒する天ものともせず
それでも互いをかき抱き
目合やめぬ罪ぶかさ


ぼくの背を
電流が灼き焦がして跳ねとばし
不可抗力で往く幸せをふと思う

強い電流ぼくからおまえに
あやめずとも不可抗力で
ともに往ける幸せをふと思う


だが此処は野原のまん中でなく
ぼくの部屋のベッドのうえ
いかずち聞きつつ揺する躯

激しい電流ぼくにながれ
熱く固いものを突き立て
罪ぶかき我ら共に昇天


※雷(いかずち)……〈イカ(厳)ツ(助詞)チ(霊)の意〉かみなり。
※目合(まぐわい)……目を見合わせて愛情を知らせること。めくばせ。男女の交接。

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