くちなし艶歌


しろき花びらひらいてみだら
淫靡なしぐさその媚態
   めしべ
うれた雌蕊あらわにし
いざなう姿なまめかし

されどくちなし匂うばかり
しろくこぼれて咲きみだれ


いとしき人に好きだと云えず
それを伝える口をもたず

いとしき人と添い寝もできず
やがて朽ちるさだめにて

御身が発せし甘やかさ
しろき肌の香りにも似て


むし暑き夜のくちなしは
抱いてとせがむ女の囁き

湿り気おびた花びらみだら
濡れて求める女の匂い
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