つゆくさ


あなたの手
いくつの花にふれたのですか
いくつの花を手折ったのです


あなたによって摘まれた花は
一輪ざしに挿されて窓辺
ひかりを浴びてほこらしげ

わたしはツユクサ一年草
足もとに咲くめだたぬ花
昼にはとじる哀しい花弁


サンダルばきの素足に朝露
夜明けにあなたが歩みより
庭のすみのわたしを摘んだ

露なの 雨なの 涙なの
あなたの掌の中わたしは濡れ
愛され よろこび ふるえる女


露のように はかない命
想いをよせたあなたに摘まれ
しおれるまでのわずかな時間

あなたが眠るそばで咲き
寝顔をみつめて祈らせて
あなたが幸せでありますように


わたしはツユクサ つゆの命
あなたの手により摘みとられ
幸せに涙するガラスコップの中
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