夏の終わり


なぜ僕は泣くのだろう
おまえのことを抱きながら

涙あふれて止められない
悲しいわけでもないのにね

ただの感傷
ほんの哀愁


寂しいわけでもないのにね
消えたいわけでもないけれど

むりに言葉にするならば
心のなかを覗いてみれば

たぶんそれはただの哀切
生きているということの


ちょっと泣きたいだけだから
背中をさすっていてくれよ

夏の終わり うしろ姿の
夏を送った またひとつ

そう思ったら泣けるだけ
生き延びているんだなと


泣きながら抱く情けない僕
抱かれながら慰めるおまえ

おまえの胸に耳をあてると
波の音が聞こえてきたよう

虫の声する夏の終わり
潮の香りもしたような


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