月に棲む人


きみに恋して
きみが欲しい
伝えたとたんにきみは消えた

そんなことなら何も云わず
みつめているだけでよかったよ
いまごろ悔やんでもあとのまつり


もしかしたら
きみは平成のかぐや姫
叶えられない永遠の夢

み仏の石の鉢
蓬莱の玉の枝
大ねずみの皮ごろも
龍の首の玉
つばめの子安貝

いまからでもこれらの一つを
讃岐の造麻呂に差しだせば
きみはぼくのものになるのかな


なにかに誘われ空を見る宵
きみがぼくに声をかける
お久しぶりでございます

紅い月が嗤ふ日は
月に還ったきみを想ふ

天上界できみは今
幸せなのか気にかかる


※讃岐の造麻呂(さぬきのみやつこまろ)…竹取の翁の名

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