やわ肌


白くて艶やか やわらかな肌
おまえの肌にふれるは久しぶり

私は苦悶の日々をすごし
時に悪魔の囁きを耳にし
茫々と虚実をさまよって
さながら魂のぬけた人だ

もとめあう唇 ことばなく
もとめる乳房 たゆたいて


苦悩のあとは眉間に深く
こけた頬や白髪に色濃く
あまりに疲弊したこの姿は
心もとなく映っていまいか

されど脈うち波うつ欲望
押しよせて迫りくる野獣


蜜のようなおまえのやわ肌
むさぼり喰って牙をむく
心経となえておまえ突き
ただひたすらに埋没せんと

呪文のごとく反芻するは
罪を犯すも死ぬよりはいい


蜜のようなやわ肌の
白き海に溺れながら
怒濤となりて岩にぶつかり
砕け散るさま水泡のごとし

白くて艶やか やわらかな肌
その波間 浮き沈みする命あはれ


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