窓を開けた日


太陽の光を遮るカーテンを
すこしだけ開けてみた

出てきたのは木製のブラインド
びっしりと溜まっていた白い埃

部屋の隅の壁紙には黒いカビ
知らないあいだに生えていた

かぞえてみれば八ヶ月ほども
掃除らしいことをしていない


朝がくるとわずか眠り
何もしない午後がすぎ
やっと暗闇の夜がきて
地獄のような真夜中が
毎日ベッドを通りすぎ


荒れ狂う鬱の嵐に翻弄され
死ぬことしか見えなかった

この埃は私の哀しみ
このカビは私の苦悶

すえた匂いのする部屋の
窓を開けて春風を入れた

まぶしい光に目がくらみ
生きていることが奇跡のように思えた日


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