永遠のSeventeen


ぼくのうちは白黒テレビだったから
きみのうちのカラーで見ようと
それほど親しくもなかったのに
きみはぼくを誘ってくれた

ビートルズのことならまかせとき
あれこれきみに教えてあげた
ペーパーバックライターは選曲ミスだよ
武道館じゃ音が割れてハモれないよなんて

その頃はビデオもなかったから
四人の写真を撮りつづけたね
静かに見ればよさそうなものを
じっとしていることができなかったね

それから二年ほどたったある日のこと
誰にも何も告げないで
あの日のぼくとの思い出をつれ
きみはひとりで遠い世界へ旅立った

なぜなんだ なぜなんだ
きみが可愛がっていた小さな妹
きみを頼っていた優しいお母さん
あんなに悲しませてどういうつもりだ

あれから三十数年がたち
ぼくの髪には白いものが目立ちはじめた
きみは今でも茶色がかった大きな眸の
魅力的な女学生のままだというのに

きみの分まで生きなければと誓ったけれど
ぼくは平々凡々とした人生を歩み
夢を毀しながら生きてきて
ペーパーバックライターにすらなれなかった

きみは知っているのかい
ビートルズを聴くたびに思い出していることを
キャアキャア言ってたきみの笑顔と
白雪姫みたいだった棺の中のきみの寝顔

なぜ死んだ なぜ死んだ
きみの時計をなぜ止めた
そんなにきみはナルシストだったのかい
そんなに十七歳のままでいたかったかい

ぼくはつまらない悩みを山ほど抱え
あくせくと 悶々と
まだ生きさらばえているというのに


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