京都・夏・2004


じりじりとではなくじわじわと
照りつけるのは昔とおなじ
夏の太陽in京都

思い立って出かけた古都は
あいかわらずの猛暑につつまれ
陽炎ゆらゆらゆらめいて


ゆかた姿の女たち
団扇を片手に語らいあゆむ
どこかで祭り それとも花火

昼下がりの四条通り 河原町
あいかわらずの賑やかさ
遠い日かさねる70年代in京都


み仏たちに手を合わせ
お堂を出れば七夕飾り
願いごとなどしたためる

陽が落ち歩くは花街祇園
ふらり入った店にて冷えたビール
まずは君との再会に乾杯


夜の京都は別人になり
愛をささやく恋人たちが
さんざめくのは鴨の川原

花火のあとの煙る夜空
なお立ち去らぬ人びとが
語らう声を涼風はこぶ


いくつもの夢があった
どんなことでもできると思った
若い私も川原にすわった

ジーンズ Tシャツ ズック靴
着ているものは変わらないのに
いま年をかさねた私がすわる


午前一時を過ぎてなお
街の灯も人通りもおとろえず
川辺から見る眠らない街

終わらないかのごとき青春
私もかれらのようであった
30年後は見えてなかった


川面ちかくに一羽はぐれ鳥
考えあぐねている様子
すこし動いてはまた止まる

おまえは迷子か怪我をしたのか
それとも独りが好きなのか
朝になれば飛び立てるのか


うれしいのに哀しくて 
なつかしいのに空々しい
川風に吹かれていたい京都in2004


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