師 走 七首

   





自刃とめるは

なつかしき顔
もう何も

心のこりはなけれども





落として彼岸へ渡ることかと
厄落とし

それができるはこの命





笑顔に秘めた地獄

つごもり
だれひとり

心のうちを知るよしもなく





浄土往きの電車待つホ
私だけ

取り残されて地球が走る





去年の師走は

たしかに居たはず
誕生日

無言で渡したタトルネック





かこち顔にて臍かむ師走
私にはクリスマスもなく正月なく




ジングルベル鳴る師走の街ゆく
人は皆

幸せそうな顔をして











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