右近通信

右近から皆さんに折々に発信いたします


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2007/3/21 結果報告
 「言葉屋」は91作中の14作に残れず、二次選考を超えることが出来ませんでした。何はともあれ楽しく書いて、何となく出してみたものが一次選考をクリアし、五日間だけ楽しむことが出来たのは良いことでした。ご声援ありがとうございました。

                                             安孫子 良

2007/3/18 「言葉屋」が太宰治賞の一次選考を通過!
 昨年9月から約一ヶ月半の間、書き進みながらの連載小説「言葉屋」を掲載しましたが、その後12月に太宰治賞(筑摩書房・三鷹市共催)に投稿してみました。
 その「言葉屋」が、一次選考を通過したことを知りました。どうせ無理だと端(はな)からあきらめていただけに、1,000点ほどもあろうかと思われる応募作から選ばれた91作の中にあるのは夢のようなことで、舞い上がってしまいました。
 いずれ劣らぬ強モノぞろい(のような感じ)、二次選考をミツロウが超えられるかどうかは非常に厳しいことでしょう。しかし結果が出るまでの短い期間を、作者は心地よく夢みていたいと思います。よろしかったら皆さんも、ご一緒に夢みてくだされば嬉しいです。

                                             安孫子 良

太宰治賞 ← こちらをご覧ください。私の名前を見つけてください。


2007/3/10 皆様へ
 春がすぐそこまで来ているかと思えば寒が戻るこの頃です。
 お元気ですか。ご無沙汰しています。私はそこそこ元気です。ご安心ください。

 私の日常は、ここ右近庵で何ら変わることなく、特筆すべきこともありません。この十日余りで私に変化があったかどうかも、自身で知る術はありません。そんな私とは違い、来たるべき季節に向け、自然界は着々と準備を進めていることに驚嘆いたします。

 庭の隅では、寒い頃に芽を出したフキノトウが伸びてきました。今年も夕餉の食材にするのに忍びなく、成長を見守っています。花壇に植えたパンジーは元気よく咲き、チューリップの葉も思い思いの場所に出てきました。水仙は去年より花をふやして咲きました。冬が終わったばかりの庭は殺風景ですが、わずかでも花があると、活気が戻ります。今年は野菜を控えて花ばかりを植えてみようと計画しています。

 昨日、ワイルドミクスチャーと書いてある袋の口を切り、裏庭に種を蒔きました。20種類ほどもの花の種が一袋に入っているそうです。それぞれの種は好みの季節に芽を出し、年じゅう絶えずに花を咲かせると説明がありました。いつ、どんな花が咲くかは謎、咲いてからのお楽しみです。素適だと思いませんか。そんなことを考えていたら、ウグイスの美しい声が聞こえてきました。

 枯れ色だった芝のあちこちに緑の草が目につきます。これらは雑草です。この庭の主役である芝より先に、今年も勢いよく雑草たちが顔を出しました。先月の手入れで抜いてもらったのに、もう出てきています。嫌われ者の雑草ですが、かれらには力強さだけでなく、可愛らしさもあることを、あなたはご存知でしょうか。きれいな花を咲かせるものもありますよ。雑草と括られることはかれらには不満かもしれません。

 植えた桜の若木は、わずかばかり成長したように見えます。植えた所の水はけがあまりよくないことが分かったり、猫たちが周りで用を足すので少しばかり心配しています。しかし桜は強い木だそうです。今しばらく様子を見てみようと思います。花が咲くのは何年先のことでしょう。これも楽しみです。

 天気のよい日、猫たちはご機嫌です。外猫の5匹は食事のあと、レンガタイルの上で毛づくろいです。等間隔に猫たちが日なたぼっこをしている様を眺めているのは、心なごむひとときです。父親のトラ吉はたまに来てやかましく鳴いてエサをねだります。母親のトラ子はまったく来なくなりました。けれども小トラは大トラになり、長となってグループを率いています。あまり丈夫でない小春も無事に冬を越し、小太郎、トラ美、トラ江も大きくなりました。親は居なくても子どもたちは立派に育ちました。

 家猫の三匹も元気です。ダッコは無事に冬を越しました。人間の年齢でいえば、ほぼ百歳になっています。じいじいは狩に夢中のようです。はるかちゃんも同じです。この親子は、気候のよい時期にはほとんど家に居ません。腹ごしらえに帰っては、すぐに出て行ってしまいます。外には楽しいことがたくさんあるようです。ワイルドな猫の親子です。

 家の中では、相変らず片付けを続けています。モノが減ったことが目に見えて感じられるほどに進んではいませんが、クロゼットや引出し、納戸や物置きの中など、ふだんは見えない所からずいぶんモノが出て行きました。人間の体で言えば、外見は変らなくても血中コレステロールが減っていくのと似ています。時間をかけてふえたモノは、時間をかけて減らすよりありません。目に見えて減ったと思えるまで頑張ります。

 晴れた日に庭に出ると、まだ風は冷たいですが、深呼吸をすると春の匂いがします。見上げれば青い空。この空の延長の、その空の下にはあなたが居て、日々を生きておられるのですね。すっかり春になる前の、冬と春の間のこの静かなひとときが、私はこよなく好きですよ。あなたは如何ですか。
 
 今日は宵から雨になりました。いっそう静かな早春の夜です。雨の音しか聞こえません。
 いつもと変りなく訪れてくださるあなたに、心をこめて“ありがとう”。右近は元気です。

                                   敬具
                                             水無月右近



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